減価償却費

こんにちは、株式会社NOLIMITです。

今回は不動産投資とも関わりのある減価償却費について書かせていただきます。

減価償却とは「高額で、長期にわたって利用できるもの」を数年・数十年にわたって少しずつ経費として計上する仕組みです。高価なものを買っても全額をその年の経費にすることはできないのです。

例えば、事業で使う小型車を100万円で購入します。小型車は「高額かつ長期にわたって使えるもの」なので一括で経費にすることはできません。

減価償却するものの例と耐用年数について具体的に何をどのような期間で償却していくかは、物品ごとに国が「法定耐用年数」を定めています。

法定耐用年数とは「これならこれぐらいの期間は使える」という年数のことです。

例えば、テレビなら「5年ぐらいは使える」ということで、法定耐用年数が5年と定められています。

このように、国が定めた耐用年数にしたがって、少しずつ経費として計上していきます。

減価償却するものとその耐用年数、償却率の例を紹介します。

小型車(総排気量が〇・六六リットル以下のもの) 4年 25%

事務机、事務いす、キャビネット(主として金属製のもの) 15年 6.7%

事務机、事務いす、キャビネット(その他のもの) 8年 12.5%

ベッド 8年 12.5%

パソコン 4年 25%

時計 10年 10%

ラジオ、テレビジョン、テープレコーダー 5年 20%

ソフトウエア(複写して販売するための原本) 3年 33%

ソフトウエア(その他のもの) 5年 20%

減価償却の計算方法には、定率法と定額法がありますが、個人事業の場合は、基本的に定額法で計算します。

減価償却を定率法で計算する場合には、あらかじめ申請を出して許可をとる必要があります。(平成28年4月1日以降は、建物附属設備・構築物について定率法による減価償却が廃止)

【定額法の計算方法】

その年の減価償却費 = 取得価額 × 償却率 ÷ 12 × その年に使った月数

(取得価額 = 買ったときの値段)

耐用年数 償却率

2年 0.5

3年 0.334

4年 0.25

5年 0.2

6年 0.167

【定額法の計算例】

例えば、2017年1月に30万円のテレビを買って1月から使い始めた場合、テレビの耐用年数は5年と定められているので、償却率は0.2となります。

先ほどの計算式に当てはめてみます。

30万円 × 0.2 ÷ 12 × 12 = 6万円

2017年の年度に経費として計上する減価償却費は、6万円になります。

1年目6万円、2年目6万円、3年目6万円、4年目6万円、5年目5万9999円と、

5年にわたって6万円ずつ経費処理することになります。最後の年だけ、6万円から1円引いた額を計上します。(備忘価額といって、1円残しておくことになっています)

10万円以上、または法定耐用年数1年以上のものは、減価償却資産として耐用年数にしたがって少しずつ経費処理する形になります。

取得価額が10万円以上~20万円未満のものは、「一括償却資産」として処理することもできます。通常通り「減価償却資産」とするか「一括償却資産」にするか、納税者が自由に選択できます。

「一括償却資産」の場合は、ものを買った日にちや法定耐用年数に関係なく、3年間で経費処理をします。

例えば、パソコンを15万円で購入して使い始めたら、

1年目5万円、2年目5万円、3年目5万円と、3年にわたって均等に経費処理します。

(一括償却資産の場合は、備忘価額1円を残さず、3年で全額償却します)

パソコンの法定耐用年数は4年とされていますが、一括償却資産として処理する場合には、法定耐用年数に関わらず3年で経費処理できるわけです。 これが1番簡単な方法です。

また、一括償却資産は固定資産税の対象外になるというメリットもあります。(固定資産税は、課税標準額が150万円未満の場合には課税されません。)

30万円未満のものは一括で経費にすることもできます。(青色申告者のみ)

青色申告者の場合は、30万円未満のものであれば一括でその事業年度の経費にすることも可能という特例が用意されています。 これを「少額減価償却資産の特例」と言います。

この特例の対象は、2018年(平成30年)3月31日までの間に取得したものに限られます。

少額減価償却資産の特例(平成28年4月の改正により、適用期限がさらに延長されて平成30年3月31日までとなりました)

利益がたくさん出そうな事業年度には、この制度を利用して即時償却しましょう。

ただし、この特例の合計限度額は300万円なので注意が必要です。

30万円未満のものであれば、いくらでも一括で経費にできるということではありません。

新規開業した年などで、事業年度が1年に満たない場合は、300万円を12で割って月数をかけた金額が限度額となります。

高額資産の計上方法をまとめると普通に減価償却する方法、一括償却資産にする方法、少額減価償却資産の特例(青色申告者のみ)3つの計上方法があります。

取得価額によって選択肢が異なりますが、まとめると以下のようになります。

10万円未満 消耗品費

10万円 ~ 20万円 減価償却資産 or 一括償却資産 or 小額減価償却資産の特例(青色のみ)

20万円 ~ 30万円 減価償却資産 or 小額減価償却資産の特例(青色のみ)

30万円以上 減価償却資産

10万円未満、または耐用年数1年未満のものは、消耗品費で処理します。

10万円~20万円のものについては、3つの処理方法から選べます。

一括償却資産は20万円未満のものが対象なので、20万円~30万円未満のものには通常の減価償却、もしくは小額減価償却資産の特例を適用して処理する形になります。


株式会社NOLIMIT

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